#1 - 2024-10-2 15:35
リゼ・ヘルエスタ (どこか遠くへ行く、あなたを信じます)
1巻でもその傾向あったので今さらですが、登場人物の内面の掘りさげが軽いので、小説というよりは漫画かTVドラマの刑事バディ物という感じです。
よく言えば、事件や言葉のやりとりによるキャラ描写が中心なので、重くならず、読みやすいです。
事件も謎としてはたいしたものではなく、犯人を追いかけるものなので、特殊な刑事ドラマとか特撮ドラマのような話です。

被害者が「人間爆弾」にされるという、どこかの戦闘司書のような悲劇があるのに、そこのあたりの扱いが軽いので、私はちょっと引っ掛かりました。
まあそこの所を掘りさげても、暗い気持ちになる人も出るとは思うので、そこを深く掘りさげないのもエンタメとしては方針として理解はできます。

新しい相棒であるカトリーヌとの絆がたいして進展しておらず、以前の相棒ミゼリアのほうの絆が強く描かれているので、一番絆が強い相棒を側において繋がれないという1巻ラストの展開が重石になってそうです。

また魔女の魔力の制限という設定もあまり活きていません。
制限無しだと無双状態に近くなり作中で動かしづらく、制限ありが普通の状態でバトルになります。首輪つけて行動が制限されているというのが、あまり活用されていないです。
1巻だと読み切りという感じで、ノリとカッコよさで、細かい設定はいいんだよみたいに無視できましたが、話すすめるほどに動かしにくくなりそうな印象を受けました。シリーズとして進めていく、この作品の課題でしょうか。