彼岸と此岸に滲む空 游戏

死んでも無限に蘇生する少女を主軸にした、選択肢の無いオリジナルビジュアルノベルです。
本編第1話～第3話、外伝的小話9話分を収録してあります。
また、用語集及び開発中のラフを収録したPDFファイルを同梱しました。

第1話『害悪憧憬』
「世界は己の内側にのみ存在する」
――幾度目かの死を経て、○体の少女は目を覚ます。
そして日常と非日常の境目に帰り、幽霊による無差別殺戮に直面する。
彷徨する幽霊。混濁する記憶。蔓延する噂話。
盛夏の地方都市を、捉えられない怪異が○○する。
守るべきものすらわからないまま、灰色○体は怪異に翻弄される。
誰よりも苛烈に走る彼女の意識。
それはこの地平を駆け抜け続ける駆動系。
故に、彼女が弱者を理解することなどあり得ない。
故に――彼女は鏡の檻の中で悲鳴を上げる。
それが誰にも届かなくても。それしかできないから。

第2話『最強証明』
「誰かを殺してまで生き延びようとする、己の罪深さを知れ」
晩夏の地方都市に、連続解体犯が侵入。
幽霊の騒動が冷め止まぬ都市が、再び恐怖に叩き落とされる。
事態の解決に状況が動く中、灰色○体は自身の鏡像である架空兵器と邂逅する。
時を同じくして、戦闘専門の魔術師達もまた同市に潜入。
だが一時の平穏が、緩慢に彼女達を狂わせていく。
人であるまま運用される人間兵器と、人であることを破綻させられた人型兵器。
それらを以てしても滅ぼしきれない、達人達と異形の群。
幾度もの衝突は、着実に破綻へのカウントダウンを進めていく。
それでも、止まることなどあり得ない。
例えその先が己の破綻だとわかっていても。
人形が嘯き、兵器が笑い、群体が蠢き、災厄が落ち、○体が彷徨い、罪業が犇めく。
――それは、闘争と狂躁の夏。

第3話『怪物領域』
「既知の外側に怪物は存在し、既知の内側に怪物は潜伏する」
――過去から逃れることは出来ない。
天才救出の依頼を請けた先で、灰色○体は過去の亡霊と逢着する。
互いを通じて思い知る、己の在り方。
だが凶行は死者達の葛藤とは関係なく加速する。
閉鎖された研究所の中、1人また1人と殺害されていく。
物理と電子の密室――
だが絶対の機密性を嘲笑うかの如く、観測も捕捉もされない何かが未知の領域で踊る。
疑惑と焦燥が凶行を加速させ、犠牲者の有り様は灰色○体に存在論を突きつける。
大気に、刃に、人に、心に、未来に、言葉に、追憶に。
怪物は、世界の全てに在る。無論、己の中にさえも。